ヤマケイカルチャースクールのの机上講座に対応する実技講座の参加しました。
講習名は「危急時対策と応急措置」。
講師は机上に引き続き、都岳連救助隊長のW辺輝男さんです。
当初予定は棒の折山だったのですが、実技時間を多く取りたいとのことで高尾近辺の草戸山に場所変更になりました。

8:00高尾駅 (タクシー) 8:25梅ノ木平 (60min) 9:25草戸山  
13:05草戸山 (70min) 14:15高尾山口国道

出発地 梅ノ木平
途中泰光寺山方面を望む
草戸山 山頂直下

 歩行日 
天候
日程
歩行距離
標高差
2005年9月11日
くもりのち雨
日帰り
4.8km
172m

出発点標高
最高点標高
最低点標高
累積標高差+
累積標高差−
222m
梅ノ木平
365m
草戸山山頂
193m
高尾山口駅
+288m
-317m

机上と重なる内容もありますが、学んだポイントを列挙します。

W辺さんは、危急時の対策も重要ですが、そもそも怪我をしないようにすることがより重要との考えを持たれています。
同様の講座が昨年もあったそうですが、その際はこの"そもそも怪我をしない"という部分を重点にされたとのことです。
今回のこの"そもそも"の部分のさわりのお話がありました。

行動中は、こまめに食べ物や水分を補給する

ご飯などの炭水化物は食後2時間程度しか持たないそうです。
従って山では、3食にこだわるのではなく、ちょくちょく食事を採るのが望ましい。グループでみんなで揃って昼食なんていうのは、あまり好ましくないそうです。
また空腹のまま運動を続けると、筋肉のタンパク質を使ってしまい、腎臓・肝臓の負担になってしまうそうです。
朝はしっかり食事をして、血糖値を上げてから行動するべきとのことです。

喉が渇いたから飲むのではなく、渇く前に定期的に飲むのが良い

必要な水分量摂取量は 5g×体重×行動時間 が目安とのことです。200mlを20分おきにが、いいそうですよ。(少々飲みすぎのような気がしてしまうんですが....伊藤感想)

深呼吸をしよう
おなかが膨らむような呼吸(複式呼吸)をたまにすると良いそうです。登りで息がきれそうな時とかに早速実践してみましたが、確かにいいかも知れません。落ち着いた気分になれます。慣れるまでは、意識して深呼吸をしないといけません。(慣れると自然にしてしまうそうです。私にはまだ無理です...)

さて、いよいよ危急対策です。危急状況に応じての解説が始りました。
足が攣った

足が攣る(つる)のは、筋力に負荷がかかる・水分不足・寒さによる筋肉の縮まりなどが原因とのことです。
吊ってしまったら、まず 摩る、押す、揉む。強く揉み過ぎるのは良くないそうです。攣った筋肉を伸ばす姿勢があるので、足が攣りやすい人は事前に覚えておくといいでしょう。しかし、足が痛い最中にはそのような姿勢はとれっこないとの意見が多かったです。実際は摩るのが限界かもしれません。また塩分・カリウムを採る(梅干やポカリの粉末なども良い)との有効とのことです。

捻挫(ねんざ)してしまった

捻挫は、山でもっとも頻繁に起こっている怪我だそうです。
  捻挫をしてしまったら まずはアイシング、その後に固定が大原則とのことです。
アイシングには、コールドスプレーが良いそうです。瞬間冷却パックもいいそうですが取扱を注意していないと、パッキング時に破裂し使用済みとなってしまい肝心な時に使用できなくなります。コールドスプレーに似ていて間違えやすいですが、サロンパススプレーは冷却効果はないので注意とのことです。
 足首の捻挫で軽症の場合は、靴を履き、靴の外から三角巾を使って固定するのが効果があります。(右写真)

足を骨折してしまった

 現実的には事故現場でねんざなのか骨折なのかは判断できない場合もあると思いますが、そこは痛さに応じ判断するしかないと思います。
  骨折したら、患部を固定します。足の場合には、添え木としてストックを使うといいです。半分の長さにして使います。添え木(ストック)には、必ずレインコートを巻きつけるなどして保護をします。あとは、テープで固定します。 ハイカット靴の上部でまず固定。そしてひざ下にも巻いてOKです。
 ストックで松葉杖を作るのも良いとのことです。持ち手部分の紐を結び、その回りをタオルなどで巻きテープで固定します。また中間部もテープで固定し、持ち手にします。最後に先っぽを三角形になるように固定すると簡易松葉杖の出来上がりです。
  歩行補助は怪我をしている側に立った方がいい場合と逆側を抱えるように支えたほうがいい場合があります。状況に応じて使い分ける必要があります。

   

手を骨折してしまった

 手を骨折してしまったら、三角巾を使って固定するのが一番とのこと。写真左のようにわきの下を一旦通し後ろで結ぶとよりしっかり固定されます。三角巾を持ち合わせていない場合は、スーパーのビニール袋でも代用できます。スーパーの袋の縦の片辺を予め切っておいて使用します。

 

開放骨折してしまった(骨が見える状態)

 開放骨折の場合は、患部が空気に触れるのが良くないそうです。きれいな未使用のエマージェンシーシートなどがあれば覆うのが一番良いとのことです。
ツェルトのような汚いもので覆うのは、ばいきんが入るため返って良くないとのことです。

出血している

 出血したら、傷口に土などが付いている場合があります。まずはこれらの汚れを落とす必要があります。一番いいのは水で流すことです。ペットボトルの蓋に予め穴を開けておいたものを用意しておくと水圧が確保され便利です) 消毒液を持っている場合はここで消毒します。(最新の考え方では状況によっては消毒せずに患部を保護したほうがいいとの考え方もあるとのことです。) そして患部をなるべく高く上げる。ガーゼなどでそっと押さえ血を止めます。それでも止まらないときは止血点を押さえます。(予め場所を知っておかねばなりません)
 止血できたら患部をガーゼで覆い、包帯等を巻きます。最新療法としては「キズパワーパッド」に、「プロテクタフィルム」の組み合わせがキズ跡を残さず直せるのでいいとのことです。

膝痛の場合

 市販のサポーターなどを持ち合わせていればいいのですが、キネシオテープ(伸縮性のあるテープ)を持っていれば、応用が利き色々な場面で活躍できます。事前予防には持って来いとのことです。実際に貼る練習がありました。うまく表現できないので貼り方はキネシオ社のホームページで解説をご覧ください。たくさんのバリエーションがありますが、ここで習ったのは以下の2通りです。
     ふくらはぎが攣る  膝の痛み 



心筋梗塞・血管トラブル発生

低酸素・低血糖が原因。突然死もある。
休ませる。ニトログリセリン、アスピリン等を与える。といいそうです。色々教わりましたが、理解できない部分も多く、私ごときが意見・感想を述べると危ない分野でなので記述はお許しください。専門書なり、信頼できるwebサイトで情報収集ください。

熱中症になった

大量の発汗がシグナル。そのうちに止まるが安心してはならない。小便が茶色になる。 処置としては、衣服を緩めて、涼しく風通しの良い場所を探しで安静にするしかないそうです。

蜂に刺された

15-20分でショック症状が出る場合があるそうです。ポイズンリムーバーで毒を抜いて、患部をよく冷やすしかないそうです。

寒冷障害

初期症状としては脳が体を温めようとし震えさせ摩擦を起こすそうです。
しかし体温が35度以下になってくると、摩擦を起こし体を温めようとすることを諦め、静寂にして体温を保持しようとします。
この段階では震えが止まって、意識障害がおき始める。32度以下になると歩行は不能の重症となってしまいます。

搬送法

 ザックを利用して負傷者を搬送するしたり、ダブルストックで担架を作ったりします。いかに負傷者に負担をかけずに搬送できるか、また担ぐ人にも負担がかからないようにするかがポイントです。背負うにしてもレインコートを利用する方法、ストックとザックを利用する方法、両者を組み合わせる方法などあります。イラストが書けないのでうまく伝えられないのが残念です。(全図解レスキューテクニック(山と渓谷社)に詳しい図解があります。)
 担架は山ではまず登場機会は少ないとのことです。林道での搬送時以外は返って危険かも知れないとのことです。

    

 

といった内容満載の講習でした。とてもとても覚えきれません。随時、状況を想像し自分で復習するしかなさそうです。実践で使えなければ意味がないところが辛いところです。(このページを作りはいい復習になりました。(笑))

渡辺さんは、このような講習は1日で充分ではないと強調されていました。赤十字や消防の救急法講習や、別途テーピング講習などを受けるべきとのご助言をいただいております。

 

最後に重要な注意です!

以上の載せている内容は私が講習中聞いたこと、メモしたことを基に書いたつもりですが、一部勘違いしていたり、誤って記載している可能性があります。あくまで参考情報として活用いただき、実践の際はご自身で内容を確認のうえ、自己責任の意識をもって行動いただきますようお願いいたします。

 



 講習とは関係ないですが、ハイキング記録のページと同様にこの日の天気の考察コーナーを入れてみます。
 前日は蒸し暑い曇りでした。天気図を見れば翌日は前線がかかり雨になることはほぼ間違いありません。普段でしたら、晴れ派の我が家はまず山には行きません。が、今回は講習。雨を覚悟して出陣しました。
 結果、午前は薄日も差していましたが、2時ごろから如何にも寒冷前線通過中という感じの、風が強まる、雷の音が聞こえる、気温がすーっと下がる、暗い雲が立ち込める、雨が降り出すというプロセスを経ました。秋のような西から東の天気変化は顕著でないですが、多かれ少なかれ西から東に天気が変化すると見る必要があると思います。このような日には着替えを持っていきましょう!

 このコーナーは予報行為をする目的ではありません。